今年も雪囲いの時期です。
本日の作業
変わりやすい北陸の冬の天気。
各ご家庭でも、晴れ間を利用して雪囲いをなさったり、
いろいろ冬支度をなさっているとは思いますが
(えっ暖かいうちにしてらっしゃるっ??)
当財団で育成している漆の圃場も、まだ若木が多いため
冬場は毎年雪囲いをしています。
元々山にも生えている樹木ですので、寒さにも強く
大きくなってしまえば安心してよいのかもしれませんが
まだまだ植えて何年といったところですので、やはり心配なのです。
まず昨日の漆圃場の様子ですが、
夏場は青々と葉が茂り、草も伸び放題になるにも関わらず
すっかり葉も落ち、寒々とした初冬の景色が広がっております↑
一番若い苗木は昨年の秋に植えたもの。
いつもお世話にご尽力いただいている圃場の地主O氏と
ご近所の皆さまのお力を借りて、藁を撒き、
若い木が冬の寒さに負けないようにしていきます。
支柱を立てて、しっかり固定。
間から芽が顔を出しています。
ちゃんと冬越しして、春には新芽を芽吹かせてくれるといいなぁ…
ところでこの圃場で一番年数がたったものは、平成21年に植えた苗木。
夏には葉の付く枝を伸ばし、約3mほどの木になるのですが
その木の1本に、実がなっておりました。
サイズ目安にフラッシュメモリを並べてみましたが
漆は幹からこんな小さな実が鈴なりになる細い枝が出まして、房なりで実がなります。
実はこれ、この圃場で初めて発見した実。
(木が若い間はならないようです)
昔から漆の実は近しい仲間のハゼノキの実と同様に(ハゼノキから漆のような液は採りません)
絞って蝋を取り、和蝋燭の原料として用いられてきました。
近年ではこのタネを「漆コーヒー」として活用されるところも。
今採ってきた実の量では難しいと思うのですが、うちの漆担当の野望としては
蝋燭ではなくまずコーヒーを作ってみたいようです。
(多分蝋燭よりは少量でも試せそうですし)
次の漆圃場での作業は、何事もなければ春の雪囲い外し。
冬の間、元気に持ちこたえてくれますように。