住んでいるところの空気、とは?

その他いろいろ

ちょうど1か月前にイントロダクションを終えた「モノヅクリズム」ですが…
各分科会には、宿題提出が。
それも一部は事前提出
面白い内容なので、課題の内容をちょっとご紹介していこうかと思うのです。
日程順にいくと、今月30日の分科会D、プロダクトデザイナー・後藤史明さんの課題。


後藤さんの課題は、具体的に言うと写真を撮ってくること。
何の写真かというと、「自分が住んでいるところの空気を表すもの」
もしくは「自分が美しいと思うもの」。
これらを、構図にこだわって、最低5枚提出してください、というものです。
住んでいるところの空気って何っ!?と感じて、美しいものにしよう♪と思うと…
「美しい」って…なかなか困るんですよね。
一般的に美しいと言われるもの、花だったり、風景だったり、整然と並んだ何かだったり、
そういうものだと「ありきたりじゃない?」なんて言われそうで、
だけども、野菜のヘタとか、蜘蛛の巣とか、そういうひねり方だと
「美」の世界ではそれっくらい予想の範疇で、
びっくりしてもらえる、そして当然納得してもらえる「美しいもの」って何だ???と考え始めると…
いや、そんな考えすぎないで、純粋に今美しいと思うものを出していただけるのが
一番良いのだと思います。
自分の「興味」をとっかかりにものづくりをする、そのきっかけさがしではないかと。
だって、嫌いなものよりも、好きなもの、興味のあるものの方が、膨らませやすいじゃないですか。
そしてもうひとつの、「自分が住んでいるところの空気を表すもの」。
近いところの表現をすると、色彩心理系の書籍などに「エリアカラー」と出てくるものと
ちょっと似ているかなと思います。
エリアカラーというのは、その土地の特徴となっていて、そして生活に溶け込んでいる色。
ヨーロッパを例に出すと、
地中海付近は白い漆喰の壁、
少し緯度が上がると赤い煉瓦造りだったり、白壁に赤い屋根だったり
あるいはグレーの石造りだったり、
地中海の一部やアフリカ北部になると、赤土づくりだったり…と
その地域の材質を使った建物が、そのまま特徴的な色を作り上げています。
だいぶ目立つものを挙げてみましたが、こんなに目立つ事例でなくても、
その町その町に、例えば看板、バス、電車、建物、道行く人のファッションや車、
余所と比べて多いな、と思う色が見つかるものだといいます。
そして、課題は「色」じゃなくて「空気」なので…当然、色じゃなくても。
自分たちの住んでいる場所に、当たり前のように存在するもの。
住んでいると当たり前なんだけど、よその人から見ると、ちょっと不思議だったり、
好ましかったり、時にはいやだったり。
わざわざ新しく何かを作らなくても、もともとここにあって、よその人にも受け入れられそうな、
そんなものを拾い上げて、ちょっとブラッシュアップしてみる。
そんなきっかけづくり…では。たぶん(あくまでたぶん)
ということで、皆さん写真は撮りためていただいているのでしょうか。
そろそろ事前提出日も近づいてきて、夏休み終わりのお母さんのような心境の担当なのでした。。。