楮の漂白

越中和紙

先日、美濃からお客さまがいらっしゃいまして、
資料館をご案内した時のこと。
「うちとこと楮の晒し方がちがーう!」
と、お聞きしました


五箇山など、雪の降る地方では雪ざらしと言いまして
→過去の記事
冬場、積もった雪の上に、楮の繊維を晒します。
対して、美濃や吉野などでは川ざらし。
冬の冷たい流水に、楮の繊維の束を入れて、叩いて、という
工程のようです。
自然のものを手で加工する和紙の工程は、
やっぱり温度や湿度など自然の条件に左右されることが多く
糊(トロロアオイという植物の根っこから作ります)の量も
季節によって全然違うのだとのこと。
冬場はこの糊が良く持ち、少ない量で漉けるため
作業も早く(何度も入れる手間がない)
均質の紙が漉け、当然糊分が少ない紙ができるのだそうです。
某巨大アパレルさんのCMで言われている「寒漉きの紙はいい」というのは
そういうことだったんですね~
…と。
お客さまにお勉強させていただきました
ありがとうございます。
こういう他所のものづくりに携わる方との出会いがあるのも
幸せだな~と思ったひとときでした