楮の雪晒し
越中和紙
北日本新聞さんで、五箇山・悠久紙の漉元、宮本さん方の
楮の雪晒しが紹介されています。
北日本新聞さんのWeb記事はこちらから
ご覧になれない場合は、昨年の和紙の里さんのブログ記事
もしくは悠久紙さんの雪晒し紹介へ
こちらはお近くに楮の畑を持っておられて、楮の栽培にはじまり
秋口に刈り取りをされて、和紙まつりの頃(10月上旬)に楮蒸しを行い、
その後皮を剥いでいったん乾燥させ、
(↑この、楮の皮が和紙の原料。残った芯(五箇山では「こうずがら」と呼んでおられます)
の方は、乾かして窯焚き燃料として使うのだそうです。全部使い切り。
ちなみに軽くて丈夫なので、五箇山和紙の里さんでは、棒の状態で販売もされています)
その後表皮をむいて残った内側の皮(植物組織では靭皮と言います)を、
こうして雪に晒すわけです。
雪晒し(ゆきざらし)というのは、新潟・十日町などの麻織物産地などでも見られる、
古くから行われる漂白方法です。
麻も植物の皮の繊維を糸にしたものですから、和紙とは近しい存在。
古くから伝わるとは言え、紫外線や水蒸気の化学反応によって漂白作用が起こると言う
化学的にも理にかなった方法なんだそうです。
皮に残っている植物の葉緑素(緑色の成分)分解するのだそうで
楮、麻(からむし、苧麻)、葛など、植物の靭皮繊維を使った製品作りの際に
よく使われている方法です。
興味がおありの方は、「雪晒し」で検索してみてください。
(どの素材のものが出てきても、理屈的には一緒です)
雪と植物と人の力でできる、丁寧で優しい、上質の白。
紙や布の向こうにある、自然を感じていただけるといいなと思います。