木部の修理が始まってます【御車山車輪修復】
文化財の修理修復
最近御車山の車輪修理のお話を書いてませんでしたが
(だって、金具も木部もバラして職人さんの工房で作業中だったんですよぅ)
本日はこちらのご紹介↓
車輪木部の修理についてです。
今朝、修理協会の上野木工部会長が届けてくださった、
修復済みの車輪木部。
先日バラバラにした後(→7/6の記事へ)欠損部等を修理することになっていた
車輪木部の各部材。
例えばこんなところや↑(黒くない部分が今回作ったところです)
こんなところ↑。
矢骨が刺さる部分や、裏側の補強鉄板の周囲など、
やはり力がかかるのか、割れたり欠けたりしている部分も多く
いろんなところを埋め木してあります。
そして、さらに驚きの細かい作業なのは…
↑これ。どこどこって感じですが
細かい作業がたくさん施してあります。
例えば…違う場所ですが、拡大↓
○の部分に、ぽちっと1ヶ所ずつ。
なんと、金具や補強鉄板を留めていた釘穴を、いったん全部埋めるんです。
うーん…なんで?同じところに釘刺すのに??
動くものに釘を打っていると、当然中で動いて、経年のうちに
釘穴も大きくなってきます。
となると、釘もぐらぐら。
そんな大きくなった穴付近へまた釘を打つと…
留め付けられませんね。納得。
ということで、いったん釘穴を全部埋めて、表面を平らに磨き、
漆も全部塗って穴を詰め、補強したところでまた釘を
しかしこの釘穴、昔の釘穴ですから、まんまるじゃないんです。
でもこんなまんまるじゃない穴も、
ちゃんと埋めてありました。(上下は別の穴ですけども)
とっても細かで、根気の要る仕事です。
職人技って…やっぱりすごい
さてさてこの先の修理工程は、木部修理が終わったものから
この先漆部分の修復に入っていく予定です。